2009 年・早春の高山本線

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 2008 年 9 月に乗り納めのつもりで JR 四国のキハ 58 系気動車を訪ねて旅をしたが、その後もキハ 58 系の引退は続き、今月 (2009 年 3 月) のダイヤ改正ではついに JR 東日本でも定期運用を失った。日本の気動車としては最大の 1,823 輌が製造され、1980 年代までは全国のどこに行っても見られたキハ 58 系は、今や JR 九州の観光用臨時列車である「あそ 1962」用の 1 編成 2 輌と、富山市が実施する高山本線活性化社会実験に使われている 2 編成 4 輌だけとなった (ジョイフルトレイン改造車を除く)。
 今月のダイヤ改正では、JR 西日本の姫新線にキハ 122 やキハ 127 といった新型車輌が計 19 輌投入された。このため同線で使用されていたキハ 40 系やキハ 120 系が余剰となり、高山本線のキハ 58 系や大糸線のキハ 52 の置き換えに使われる可能性がある。残された時間は意外に少ないようだ。まだ走っているうちに乗ってこようと思い立った私は、青春 18 きっぷを買って次の日の早朝には出発した。
 今回の旅は、単に高山本線の富山~越中八尾を何往復かするだけの目的で出かけたものだ。したがってレポートは写真を主にして簡単に済ませ、文章はあまり書かないでおく (それほどのネタがない)。写真をクリックすると、別ウインドウまたは別タブで大きなサイズ (1,024 × 768 ピクセル) を表示するのはいつもの通り。動画については HTML5 の video タグを使用しているので、最新のブラウザでご覧いただきたい。ファイルフォーマットは、ご使用のブラウザに合わせて、MP4 (H.264 / AAC)、WebM (VP8 / Vorbis)、OGG (Theora / Vorbis) の順に再生を試みる。ファイルサイズはどれもほとんど同じだが、画質は MP4 がいちばんいいようだ。
 なお、この旅で録音・録画した音声や動画は、「鉄道探検隊」のコーナーでも公開しているので、興味のある方はどうぞ。


3 月 18 日 (水)

 行くからには、できれば走行音を録音したり、車窓の撮影もしたい。天気予報で富山の気温を見たところ、今日の最高気温は 22℃。明日の最低気温は 13℃だそうだ。車窓を開けても顰蹙を買わない程度の陽気になることを期待して出発。今日の旅程は下記の通り。

日付 発着駅 時刻 種別 列車名 列車番号 列車行先 乗車車輌 備考
3 月 18 日 (水) 拝島 06:03 普通   565E 川越 クハ 204 3001 3521E に乗り遅れ
高麗川 06:32    〃  〃
高麗川 06:58 普通   227D 高崎 キハ 112 207 225D から変更
高崎 08:25    〃  〃
高崎 08:43 特急 水上 1 号 3001M 水上 モハ 185 215 727M から変更
水上 09:41  〃 2001M  〃  〃
水上 09:47 普通   1733M 長岡 クハ 115 1059  
越後湯沢 10:21    〃  
越後湯沢 10:39 快速   3832M 直江津 HK100-7  
直江津 12:01    〃  
直江津 12:08 普通   552M 富山 モハ 474 49  
富山 14:08    〃  
富山 15:53 普通   876D 越中八尾 キハ 120 347  
越中八尾 16:19    〃  



青春18きっぷ(使用前) そういうわけで、出発前日に羽村駅で買った青春 18 きっぷ。使うのは 2 回分なので、残りはその日のうちに「残り 3 回分」ということでオークションに出した。だいたい 7,000 円ぐらいで落札されるようなので、実際は買った時 (11,500 円) との差額で富山に行けることになる。ただし往路で通る北越急行線は青春 18 きっぷが使えないので、この区間は別運賃 (950 円) となる。

高麗川駅にて 拝島から八高線 565E に乗って高麗川に着いたところ。この電車は川越線直通の川越行きだ。本来は拝島発 5:42 の高麗川行き 3521E に乗る予定だったが、ホームを間違えてしまって乗り遅れた。拝島の八高線ホームは 4・5 番線なのだが、朝の何本かは 1 番線の五日市線ホームから発車するんだった。忘れていたこちらも悪いが、拝島駅の案内表示は不親切だ。かっちり予定を組んでしまっているので、1 日ずらそうかとも思ったが、高崎から新幹線か何かで取り戻せるだろうという希望的観測で、次の電車に乗ったのだった。

高麗川止まりのE233系 高麗川で高崎行きを待っていたら後続の 3619E が現れた。E233 系の運用が高麗川まであると分かってはいても、実際にここで遭遇するのは初めてなので、何だか新鮮だ。

高崎行き227D到着 折り返し高崎行き 227D となるキハ 112 207 ほか 2 連。当初は 6:25 発の 225D に乗る予定だったが、拝島でのおイタのため 1 本遅い列車に乗る羽目になった。早朝だというのに結構混んでいる。高麗川駅にて。

227D高崎到着後 一瞬 (?) で高崎に到着。高麗川~高崎の走行音を録音してみたが、いまいちなので公開しない。窓が開かない気動車の録音は難しい。

高崎のスハ43系 高崎は面白い車輌が色々見られるから好きだ。かなり遠い所に旧型客車が止まっていたので撮影。こういうのは眺めているだけでも楽しい。たぶん左がスハフ 42 で右がスハ 43 だと思う。旧型客車にも乗りたいなあ。

特急「水上1号」到着 拝島からの遅れを取り戻すため、高崎から越後湯沢まで新幹線に乗るつもりでいたが、携帯で調べたらちょうどいい時間に特急「水上 1 号」が来ることが分かったので、こちらを利用することにした。写真のヘッドマークが「草津」になっているのは、この列車が新前橋まで「草津 1 号」と併結して走るから。余計な出費になったが、これで水上から先は予定通りの列車に乗れる。

特急「水上1号」車内 新前橋を過ぎるとがら空き状態になった。国鉄時代の車輌というのは外観も車内も端正なデザインで落ち着く。車輌はモハ 185 215。

水上駅にて 水上で発車を待つ 1733M。特急に乗ったおかげで、水上からは予定通りのスジに戻った。

土合駅の駅名標 土合でちょうど駅名標の前に止まったので撮影してみた。地上に上がる通路には学生らしき女の子の 2 人連れがいた。こういう場所にも女の子が来る時代になったのかと、何だか感慨深いものがあった。ちなみに私はここを通過したことは今までにも何度もあるが、降りたことは一度もない。今度機会があったら地底駅巡りでもしてみる。

越後湯沢駅にて 越後湯沢からは北越急行の HK100 型電車の世話になる。この電車は快速で、直江津まで乗り入れるので、時間短縮と乗り換えの手間が省ける。

石打付近の車窓 石打駅付近を走行中に窓から撮った写真。国境を越えたら本当に雪国だった。

直江津駅にて 直江津からは北陸本線に乗り換えて、一気に富山を目指す。車輌は交直両用の 475 系電車。1965 年に登場した国鉄型の急行用電車であり、気動車ならキハ 58 やキハ 65 に相当する車輌だが、数が多いせいかこれが目当てというファンはそう多くはないようだ。

赤煉瓦機関庫 糸魚川で 9 分停車するので、駅舎に行ってサンドイッチと牛乳を買った。乗り継ぎが良すぎてご飯を食べる暇がなかったので、この停車時間は助かった。ついでに赤煉瓦の機関庫やキハ 52 の写真も撮った。北陸新幹線の工事もだいぶ進んでいて、すぐそこまでコンクリートの橋脚が立ち並んでいた。近いうちにこの機関庫もなくなってしまうのだろう。逆光だったのできれいに撮れなかった。帰りはここから南小谷に抜けて、中央線経由で帰る予定だ。

キハ52 115 国鉄一般色に塗られたキハ 52 115。たぶん 12:44 着の 427D だと思う。3 輌のキハ 52 が守ってきた大糸北線だが、どうも近日引退の話があるようだ。いずれにしろ、北陸新幹線が開通すれば、路線自体もなくなってしまうだろう。

キハ52 115 特に意味なく横から撮ってみた。窓の向こうには国鉄旧一般色のキハ 52 125 が見えている。

糸魚川駅にて 跨線橋からもう一枚。地方私鉄でさえキハ 20 系は数輌しか残っていないのに、天下の JR で今までよく頑張った。手前に止まっているのは富山行き 552M。

富山駅 唐突に富山駅に到着。朝早く出発したから早く着いたわけだが、ずいぶん速かったような錯覚にとらわれた。実際は 8 時間ほどかかっている。それにしても今日は暑い。上着を脱いでシャツの腕をまくり、夏の格好になった。



【動画】富山駅前で撮影した富山地方鉄道富山市内軌道線の 7000 形電車 ( 16MB)。


【動画】八田橋を渡る富山ライトレールの電車 (TLR0605・ 13MB)。



奥田中学校前駅付近 当初の予定では、富山からすぐに高山本線に乗り換えて、越中八尾でまったりするつもりだったが、とても天気が良く体調も良かったので、レンタサイクルで市内を移動することにした。目的地はJR 西日本の富山運転センター。行く途中で富山ライトレールの路線を通った。ここは奥田中学校前駅 (停留所?) の近く。

富山港線廃線跡 上の写真と同じ場所で、富山駅方向に振り返って撮影。国鉄~ JR 時代の富山港線の廃線跡が残っている。

キハ120 349通過 色々寄り道をして、富山駅から 30 分ほどかけて富山運転センター脇に到着した。早速キハ 120 の回送が通過。高山本線の運用から戻ってきたキハ 120 349 のようだ。

富山運転センターのキハ58 477 富山運転センターで寝ていたキハ 58。高山本線活性化社会実験に使われているキハ 58 系 2 編成のうち、1 編成が国鉄急行色に塗り直されている。写真に写っているのはキハ 58 477 で、そのうしろにキハ 28 2360 がくっついている。こんな奥に止めてあるということは、明日の運用はたぶん高岡色なのだろう。少し残念。

キハ58 477 少し角度を変えてもう一枚。実は直江津から乗った電車の窓から、どの辺に止まっているかを確認してあった。高岡色のキハ 58 系も別の場所に止まっていたが、敷地の外からは遠くて撮影できない。国鉄急行色を生で見るのはこれが最後かな。

キハ52 156 普段は大糸線で使われているキハ 52 156 もいた。どうやら故障のため修理に来ていたようだ。さっき糸魚川を通った時に代車はなさそうだったので、その間は 2 輌でやり繰りしているのだろう。糸魚川のキハ 52 が足りない場合は、ここからキハ 58 系が応援に行くこともあるそうだ。方向幕が「回送」になっている。

クハ418 8ほか 「食パン電車」がやって来た。私は電車にはあまり興味がないが、419 系だけはどうしても注目してしまう。581 系や 583 系といった寝台電車を無理やり近郊型に改造してしまう赤字国鉄の力技はもちろん、それを未だに使い続けているというのもすごいことだからだ。いらなくなって東南アジアあたりに譲渡しても嫌がられるような気がする。



【動画】富山運転センターで 419 系電車が入れ換え作業中 ( 21MB)。



TLR0607 富山運転センターからの帰り道、富山ライトレールの電車が来たので撮影してみた。私の出身地である函館市は富山市と歴史的接点が多く、街の規模も似通っているが、このような交通インフラを整備していく実行力が決定的に違う。新しい函館駅はヨーロッパ式の櫛形ホームになって、せっかく駅舎やホームの間に段差がなくなったのに、市電の電停は相変わらず駅から 200m も離れているし、運賃も高い。富山の爪の垢を煎じて飲ませてやりたい。

富山地鉄バス 富山駅前。何も知らなければ「え、何で都バスがいるの?」と目を疑ったかも知れないが、富山地鉄バスのカラーリングが都バスそっくりなのは、バスファンの間では有名らしい。たまたま私も知っていたので記念撮影。

レンタサイクル利用要領 1 時間あまり乗り回して自転車を返した。レンタサイクルは富山駅前の観光案内所で申し込む。予約は不要で身分証さえあれば良く、料金は何とタダだ。放置自転車や廃棄自転車を再利用しているらしく、モノはそれなりだが、観光客には喜ばれるだろう。知らない街の散策というのは徒歩では結構辛いし、路線バスはわけが分からないし、かといってタクシーだと距離が分からないから遠くても近くても不安だ。自転車というのはその点ですごく便利なものだ。

富山駅内部 富山駅の中。どうしてこんな場所を撮影したかというと、20 才ぐらいの時に、親友の実家が富山だというので遊びに来たことがあって、その時待ち合わせたのがここだったからだ。知り合ったばかりの時に話が弾んだきっかけは、私が「石動」とか「総曲輪」とかいう富山の難読地名を簡単に読んでしまったことだった。その後彼は大学を出て宇都宮に就職したので疎遠になってしまったが、元気にしているだろうか。

878D 富山駅 1 番線で発車待ちのキハ 120 318 +キハ 120 352。たぶん 16:09 発の猪谷行き 878D だと思う。

878D 上記と同じ列車を逆から撮影。キハ 120 は好きではないが、ほかに撮るものがない。

富山駅高架化工事 北陸新幹線延伸工事に関連して、富山駅では高架化工事が進められている。見た感じでは、右側の旧ホームを一旦左側に移している最中のようだ。すべてのホームを左側に寄せたら、今度は空いた場所で高架駅の建設が始まるのだろう。

475系電車 国鉄色でしかも大目玉の475 系電車。写真を撮っている人を見かけなかったが、人気がないのだろうか。

876D 富山ライトレールに乗ってみようと思って一旦は駅から外に出たが、停留所に人がたくさん並んでいたので、明日に回すことにして 15:33 発の越中八尾行きに乗った。気紛れに改札を出たり入ったりできるのは青春 18 きっぷのいいところだ。写真は越中八尾に着いて撮ったもの。

越中八尾駅 越中八尾駅の外観。小じんまりとしたいい雰囲気だが、おわら風の盆の時期はものすごい人出になるそうだ。駅前広場はかなり広く取ってある。

宿の部屋 今日の宿泊先は、越中八尾駅前の「御宿みよし」という旅館。料金は素泊まりで 1 泊 5,000 円。夕食はつかないが、1 階のレストランで食べることができる (別料金)。おわら風の盆の時期は料金が変わるそうだが、一体いくらになるんだろう。部屋のテレビでニュースを見ていたら、今日の富山の最高気温は何と 25.5℃で、観測史上最も早い夏日だったそうだ。道理で暑かったわけだ。

越中八尾駅 宿に着いたのが早すぎて暇だったので、明日予定している撮影場所のロケハンに行ってきた。ついでにコンビニで弁当とビールを買ってきて、風呂上がりに飲み食いした。いつの間にか一番搾りがモデルチェンジしていたらしく、新旧の缶が混じっていたので撮影。新しい方はスターチやコーンや米が入っていないようだ。その分麦芽使用量が増えてコストがかかるだろうにと思ったら、アルコール度数が減っていた。まさか薄くしたわけじゃないだろうな。明日早いので 22:30 すぎに就寝。


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